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日々のこと

かりぐらし日誌「霜月祭り」

ご無沙汰しております。gntです。

久しぶりの投稿となってしまいました。

 

 

先日の八重河内地区の霜月祭りをもって、令和初年度の霜月祭りシーズンは終わりを迎えました。

気が付けば、遠山郷に来て4回目の霜月祭り。

「もうそんなに経つのか…!」とただただ驚くばかり。

 

“年を重ねるごとに時間の経過をより早く感じるようになる”とはよく言いますが、
こんなにも早いとは。光陰矢の如し。

 

4年目の霜月祭りともなれば、
やはり1年目とは見方も、感じ方も変わってきます。

 

 

 

 

一年目。

 

“霜月祭り”という名だけが頭の中でぐるぐると回り、
「分からないならとにかく飛び込むしかないだろう」と、八重河内地区の保存会にお誘いいただいて、
初めて体感した真冬の大祭。

 

決して広いとはいえない神社の本殿内にぎっしり集まった人。

中央に鎮座している大きな湯釜の中で、燃え盛る炎に熱せられて沸き立つ御湯。

早朝の若水汲みや例大祭から始まり、
神々の面が出てくるのは日もとっくに落ちた夜。

 

寒い、煙い、眠いという過酷な状況下であるはずなのに、
そこに集う人たちのボルテージはどんどん上がっていく。

 

一言では表現しきれないそのすべてに圧倒されたあの日のことは記憶に鮮明に刻まれている。

 

遠山郷という土地で暮らしている人たちの

「ここで生きている」

という“意思の力強さ”にあてられた瞬間だった。

 

その場に自分もいる、ということがなんとも不思議な感覚でもあった。

 

 

 

 

2年目、3年目。
他地区の霜月祭りにもお邪魔させてもらいながら、
遠山郷全体としての霜月祭りをなんとなく意識しだした。

 

遠山郷にとっての霜月祭り。

ここに暮らす人たちにとっての霜月祭り。

見に来てくれる人たちにとっての霜月祭り。

自分にとっての霜月祭り。

 

様々な関わり方があり、
そのひとつひとつに感じ方と考え方があるのだな、と。

 

変わらないことと、変わっていくこと。

そのままであってほしいことと、そうではいられないこと。

 

 

 

 

4年目。

 

霜月祭りが行われている神社に集った人たちが見せる表情は、
“真剣な眼差し”“笑う顔”の二つだけだと今さらになって気付かされた。
単純なことすぎて、見落としていた。

 

 

 

 

 

大祭に向けての準備や段取り。当日の運営。後日の片づけ。(まだまだ関わり切れていなくてもどかしい)

今、受け継がないと無くなってしまうという危機感。

簡単ではないこと、大変なことは山積している。

 

それでも大祭のその日に、その場にいる人すべてがそうであったということは、
その瞬間みんなの感情は一致し、一体になっている、ということの証明だと思う。

 

「一体感」

 

1年目に感じた不思議な感覚の正体はこれだったのかと、腑に落ちた。

 

年に一度、全国の神様をお呼びし、御湯で癒していただく。

“神様”たちにもおそらく位(くらい)とか上下関係があるのだろうけど、
裸の付き合いでは「まぁそれは一旦置いておこう」ってなるはず。

そこに集まる“人”もきっと一緒だ。

 

 

 

伝統、歴史、形式、作法。
神事としての厳格な部分はまだまだ理解できていないけど、
霜月祭りというものにはそういう“意味”と“力”があることは確かだ。

 

 

 

真冬になると長野県の、最南端の、山奥の秘境谷から聞こえてくる祭囃子は、全国の神様たちに楽し気な音色として届いているだろうか。

湯釜を沸き立たせる炎は、煌々とした灯として見えているだろうか。

 

 

この先も続いてほしい。

 

 

自分には何ができるだろうかと考え、これならできそうだと行動していこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういえば八重河内地区の前日準備の際、
テレビ取材のインタビューに対して保存会の方が話していた内容が印象に残っています。

 

「霜月祭りというのは区切り。日がどんどん短くなっていく時期から日が長くなっていく時期へのうつり変わり。霜月祭りが明けると、なんとなく日が伸びていくことが感じられて、気分が晴れる。生きている、という実感と感謝の気持ちが出てくる。だから気持ちの区切りでもある。」

 

 

 

 

霜月祭りの翌日は雲一つない快晴でした。

 

(Photo by kensei fuzishita,yoshimi nakata)

 

 

 

 

 

 

 

gnt

人・命・自然との繋がりを実感できる暮らしを目指し、猟師になるため遠山郷に移住。新米猟師で、介護士で、山を走ることと料理が好き。