
こんばんは、gntです。
早速、前回の続きから。
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翌日は、午前中猟に出て、午後からは前日仕留めた猪の解体という流れでした。
この日は、他地区からの参加者や見学希望の方が数名加わっての出猟。
現在の住まいでもあるCOM(M)PASS HOUSE立ち上げの際に挑戦したクラウドファンディングで支援してくださった方も見学希望者として来てくれていました。
COM(M)PASS HOUSEについては、遠山GO-HOME特派員ノリコピンの投稿がとても良い記事ですのでどうぞ→「コンパスハウスに半年間住んで感じたこと」

巻狩りの要であるワンコたちも気合十分です。
今回は山に入って待つグループと、下で待つグループに別れて包囲網を張る作戦。
他地区からの参加者&見学者数人と共に、山に入ることに。

下に車を置き、徒歩で20分程登ります。
登った先にだだっ広い平らな場所が見えて来ます。
追われた鹿は、こういった場所を往復するように何度も通るので出会う確率の高いポイント。

三角形を描く様に3人が各位置に散ります。
スタートしてすぐに犬が鳴き始めます。早速獲物を発見したのでしょう。
鳴き声がどんどん近づいて来ます。
その直後、木立の向こうに一瞬見えたのは3頭の鹿とそのすぐ後を追う犬。

このときは囲った三角形の網の外側を回る様に抜けられてしまいました。
殺気を気取られてしまったのでしょうか。
余談ですが、野生の動物は「殺気」を「臭い」として感じ取ることができる、という話を以前にとある本の中で目にしました。
感情の変化(殺気を抱くという緊張状態)はそのまま身体状態の変化(発汗等)となり、体臭として外に表れる。獣は空気の流れに乗ったその微妙な臭いの変化をキャッチするのだ、と。
犬に追われて必死な鹿に、そんな微かな臭いを感じ取る余裕があるのかは疑問ですが、例えば獣が平静状態である場合なら有り得る話かなと思います。
そもそも今の自分に殺気を消すなんていう仙人みたいな芸当は出来る訳もなく、
「獲ってやるぞ」オーラ大噴出ですので、こういう時は運が無かったと開き直って諦めています。
最終的に川に下っていった鹿は、下で待ち構えていた班の網に掛かり、止まりました。

山の中で犬は二手に分かれていました。
この鹿とはまた別の鹿を追っていた犬たちは、山の中で止まってしまいました。
「止まった鹿をふくっているようだ」と無線が入ります(“ふくる”とは噛んでいるという意味です)。
山の中にいたので、現場を確認するためそのポイントまで登ります。
到着すると、既に絶命した鹿に犬たちが噛みついていました。
どうやら鹿は逃げている途中で食害防止ネットに引っ掛かり、
犬に追いつかれ噛み殺されていたようです。

お尻部分はほとんど食べられて無くなっていました。
この現場にいるのが自分一人であり、また犬3匹の回収もする必要があったため、
この鹿の回収は諦めることに。
この時、犬のリードを忘れてしまったことに気がつき、
犬たちを引き連れて下山することに四苦八苦。
携帯必須な道具を忘れる、という初歩的なミスで、
結果的に自分の首を絞めることになってしまいました。
「準備・段取りが8割」
よく師匠に言われる言葉ですが、本当にその通りだと常々思います。
「準備は十分か?」
を普段から自分に問う癖をつけて、身につけていく必要があります。

犬の回収も終わり、前日の猪とこの日の鹿の解体が始まります。

鹿の解体は慣れてしまえば容易ですが、
猪は皮下脂肪を身に残すように皮を剥いでいく必要があるので、
とても神経を使います。
猪の獲れる割合は少なく貴重ですので尚更です。

これは鹿の皮剥ぎ。

こちらが猪。
脂の乗り方が全く違うことが分かります。

解体はとても楽しく、学びの多い作業だと思っています。
身体の構造。脂の付き方。肉の状態。
弾が当たっている箇所。当たった部位の状態。
解体をしながら実に多くの情報を得ることができます。

最終的には自分の口に入るお肉です。
獲って、解体して、その結果として美味しいお肉であればもう最高なのです。

今回の投稿で掲載している写真、
このときに見学希望で同行していた方が撮って下さっていました。
(ネットに引っ掛かって絶命している鹿の写真だけgntのiphone8撮影です笑)
どれも良い写真ばかりで、いつもの記事よりグッとレベルが上がった気がします。
本当にありがとうございました。
写真提供:Yo Sakaguchi 氏
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2/15で今猟期も終わりました。
数多くの失敗と反省点はありますが、
当初の宣言通り、遊び尽くした三ヶ月間でした。
遠山の自然、
無事故・安全狩猟にいつも導いてくださった先輩方、
理解ある職場や友人や地域のみなさん
に感謝を忘れないでいたいです。
1年目、2年目以上に学ぶ事が多くあった3年目でした。
それを成長に繋げられるかは自分次第です。
俄然やる気が出てきました。