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日々のこと

かりぐらし日誌「2019(亥)」

こんばんは、gntです。

 

 

 

立春には春一番が吹き、ぽかぽか陽気。
かと思いきや、特大低気圧の寒波到来。

 

そんな天候の混乱に呼応するかのように、

愛知県から始まり、岐阜県、そしてついには長野県と、
豚コレラの感染が拡大しています。

地元の岐阜県では、指定区域内(結構な範囲です)での狩猟制限がかかっています。
野生のイノシシからも検出されてしまったためです。

 

長野県の豚コレラ感染が確認された養豚場では、約2300頭が殺処分されました。
処分された豚たちも、養豚場の経営者さんたちも不憫でならないですが、
ウイルスが野に出ていかないことをただただ願うばかりです。

 

 

 

 

 

 

と、豚コレラの話で始まった今回の投稿ですが、
すいません、猪の話です。

 

 

 

【1月26日】

いつものように始まったこの日の猟。

山の中の林道で待機。
やがて犬が放されました。犬たちとその先の獲物は上に登らず横に飛んでいきます。
(「飛ぶ」というのは「走る」と同義です)

 

犬たちと並走するように車を走らます。

 

 

無線で、

「獲物を先回りして、尾根へ行ってくれ」

と指示が入りました。

 

 

言われたポイントに到着し、
犬たちの追い立てる鳴き声が聞こえていたので、
急いで車から降りて、鉄砲に弾を込めました。

 

 

 

と、尾根の下を見た瞬間。

 

 

 

 

目に飛び込んできたのは、

 

 

 

 

 

猪!!!

 

 

 

 

 

先頭に巨体の猪、
そして、そのすぐ後にそれよりも小さい猪が4頭。

 

 

 

合計5頭の猪の群が一列になって、
尾根の下方を横切って行くのが見えました。

 

 

 

 

鉄砲を構え、先頭の巨体猪に向けて撃つも、
そのまま飛んでいってしまいます。

 

 

 

 

「猪の群は一列で電車のように走って行くぞ」

 

 

 

 

 

そんな話を先輩方から聞いていましたが、
まさにその通りに来たので驚きました。

 

 

 

 

無線で状況を伝え、尾根を駆け下りて追いかけます。
(こう書くと冷静そうに聞こえますが、実際はかなり興奮していました。無線でちゃんと状況を伝えられていたのか怪しいです。)

 

 

追いかけている最中も、

 

興奮している、

 

鼓動は早くなる、

 

足はパンパンになる、

 

「早く追いつきたい」と焦る。

 

 

それでも無線から聞こえてくる、

 

 

 

「鉄砲は当たっているから自信持て。」

「焦らなくていい。一呼吸置け。」

「犬が止めてくれるから。」

 

 

 

という師匠の声は、
幾分かの冷静さを取り戻させてくれました。

 

 

 

 

 

「犬が猪を噛み止めているようだ」

と無線が入ります。

 

 

 

 

すでに犬の生声は聞こえていて、

途中途中に猪の鳴き声が聞こえています。

 

 

 

 

追いつくと、やはり2匹の犬が猪の鼻先を噛んで、止めていました。
近づこうつすると、猪は犬を振り切り駆け下りて行きます。

 

 

 

 

下には既に先輩が到着していて、
駆け下りて行った猪を止めてくれました。流石だ。

 

 

 

巨体猪の後ろにいた子猪の4匹の内の1頭でしょう。

 

 

 

 

巨体猪に放った弾が当たっていたのかどうか、
自分でも判断がつかない状況でした。

 

 

 

 

 

 

そこでもう一度師匠と群が通ったポイントへ確認に行くと、
通った道沿いにべっとり血痕が付いていました。

 

 

 

興奮していると、見つけられるものも見落としてしまいます。
反省しかない。

 

 

 

もう一度そのポイントから犬を入れ直すことに。

 

 

 

臭いを追った犬たちは、子猪を止めていたポイントよりも先へと進んで行きます。

 

 

 

犬と共に血痕を追っていた師匠は、
血痕が子猪たちの通り道から途中で逸れている事に気が付き、

 

 

 

臭いを追って先に行った犬たちと別ルートを辿りました。

 

 

 

 

そして、無線から聞こえてくる、

 

 

 

 

 

 

「獲ったどーーーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やはり先輩方の読み通り撃った弾は当たっていました。
巨体猪は途中で脱落し、崖の中で息絶えていたそうです。

 

 

犬の嗅覚よりも先に獲物を見つけてしまうって。。。
「すごい」としか言いようがないですね。笑

 

 

 

猪を背負っているのは、、、えぇ師匠です。

「これずっとやってみたかった!!!!!」
って本当にやれちゃうあたりがもはや超人。

この写真で猪の大きさがしっかり伝わるんじゃないでしょうか。
走って行く姿は、タテガミも逆立っていて本当にでっかく見えました。

 

 

 

 

 

回収後すぐに腹抜き。

 

 

 

 

 

 

 

この脂の厚さ。皮下脂肪も内臓脂肪もブルンブルンでした。
この時にはもう「美味そう」という思考しかありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

吊るすとさらにでかい。
体の中心部あたりに空いた小さな穴が弾が当たった箇所です。

 

 

 

 

 

 

 

並べてみると、子猪も割と大きめの子なんですかね。

 

 

 

 

 

この日の一瞬一瞬が脳裏に焼き付いているわけなんですが、

 

 

 

猪を撃てて良かったと思いながらも、
いくつもの反省点が思い浮かびます。

 

 

 

 

「獲物は何が来ていくついたのか」

「どの方向からどの方向へ飛んで行ったのか」

「鉄砲は撃ったのか」

「仕留めたのか、外したのか」

「後を追ってくる犬たちの状況は」

 

 

 

興奮状態にあると、
チーム内で共有しなければいけない事を、
ちゃんと伝えられないことが多々あります。

 

 

 

 

興奮状態にある時にこそ、一息置く余裕が欲しい。

 

 

 

 

 

着弾していたのは体の中央部。鼻先を狙えていない。

 

 

 

 

運よく当たっていたようなもの。
実力で当てたという感覚では無い。

 

 

 

 

べっとり付いていた血痕も見落としている。

 

 

 

 

 

挙げだしたらキリが無いわけですが、
何にしても経験不足です。

 

 

 

 

先輩方の動きを見ているとより痛感します。

 

 

 

 

獲物の追い方を見ていてもそうです。

 

 

わずかな痕跡も見逃さない。

 

 

 

自分が追ってきたルートに目印を付けておいて、どこまで確実に追えているのかを辿れるようにする。

 

目印となる道具の準備をしておかないと出来ないことです。

 

 

 

確実に鉄砲を当てている。

当てた時の獲物の挙動からの判断。

 

 

 

場数の積み重ね。

そこから得た経験値(知)。

 

 

学ぶことばかりです。

 

 

 

失敗して、学んで、トライして、失敗しての繰り返しで成長していくんでしょうきっと。

 

 

 

猟期中、狩猟のスキルはもちろんですが、
人としても成長させてもらっているように思えます。

 

 

 

 

 

ありがたいことです。そんな日々が楽しい。

 

 

 

 

【猪の解体編】はまた次回の投稿で。

gnt

人・命・自然との繋がりを実感できる暮らしを目指し、猟師になるため遠山郷に移住。新米猟師で、介護士で、山を走ることと料理が好き。